仕事に追われない仕事術~要約&感想~
マニャーナの法則とは、がカバー裏に書かれています。
「1日に発生する仕事を集めて、必ず次の日にやる」
を基本とする仕事術。
「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」
という考え方が根底にある。
確かにそうかもしれませんね。
本書では以下の構成で詳しく解説されています。
第1部 タイムマネジメントの考え方
第2部 マニャーナの法則、WILL DOリスト
第3部 ダッシュ法
本記事ではこの中でも、
第1部の1章、2章、5章、6章に絞った内容で簡単に紹介したいと思います。
人間の脳には、「理性の脳」と「衝動の脳」が存在する
「理性の脳」と「衝動の脳」
前者はさながら政府で、体全体の計画や規則を作っている。
後者は、考える脳ではなく、本能に従い、直感的に、反射的にのみ反応する。
この両者のうち、優先的に機能するのが、「衝動の脳」である。
故にダイエットしよう!等という計画がうまくいかない。
計画よりも衝動が勝り、目の前のケーキを食べたり、肉を食べたり……。
しかし、必ずしもこの「衝動の脳」が優先的に働くわけではない。と本書には書かれています。
理性の脳を活躍させるには、自分自身をうまくだます必要がある。そして衝動の脳の反射的な抵抗感を抑える必要がある。
例えばレポートを書かなければならないのに、「どうしてもその気になれない」場合、「今すぐレポートを書くわけじゃない」と考える。すると「レポートを書く」ことを衝動の脳から隠すことができる。
そして第一段階として、「書棚からファイルを出すことだけやろう」と考える。これなら抵抗感は消えるだろう、と。
確かにこの方法なら、脳をだませそうですね。
大切なのは2つの脳を対立させないこと。
問題はシステムで解決する
本書の中で「集中の対象が、あなたの生きる環境になる」という法則が紹介されています。
例えばテレビをみることに集中していれば、テレビ番組に詳しくなり、それ以外の知識は得られなくなる。
人間の脳は、情報の選択が得意。適切な対処に集中できれば、とてつもない能力を発揮できるのです。
では、どうやって集中できるのでしょうか?
問題なのは「集中できないこと」ではない
気になったときにだけ集中するような、あれこれ集中の対象が変わってしまうことが問題である、と。
充分な集中力を継続して発揮できるかが大事になる。
もう一つの問題が、抵抗感。
「この仕事はしたくない」という気持ち。
「逃げれば逃げるほど抵抗感は大きくなる」という法則が紹介されています。
しかし、この抵抗感も使い方次第でどうにでもなる。
一度、重要な仕事に取りかかってしまえば、今度は仕事を中断することへの抵抗感が生まれ仕事を続けるのが楽になります。
たしかに、始めるまでが大変で、始めてしまったらあっという間にできた、という経験がありますね。
車にしてもそうで、一度動き出してしまうと、あとは慣性によって、動き始めよりエネルギーは必要としないものです。
~ここから第5章から6章の内容になります。~
TODOリストの優先順位の限界
TODOリストの問題点として3つあげられています。
1.仕事の効率が悪くなる
2.仕事を抱えすぎることになる
3.時間が足りなくなる
優先順位に関しては、そもそも効率には関係が無い。
重要な仕事から取り組んだところで、効率が悪いことには変化がない。
仕事の順番を変えても、スピードが速くなるわけでもない。
そればかりか、重要な仕事こそリテイクが発生し、かえって全体の効率を下げることがある。
TODOリストに書き込まれる仕事と、その日にすべき仕事には何の関係もない。
問題解決の鍵として、方法が3つ
1.仕事の効率を上げる
2.仕事を抱えすぎない
3.仕事する時間を増やす
特に大切なのは、仕事を抱えすぎないことである。
でもどのように取捨選択したらよいのでしょうか。
本書では、新しい仕事ができたら、まずは既存の仕事への影響を考える。と書かれています。
のんびりテレビを見る時間を、あたらしい仕事にあてられるなら、それは問題は無いでしょう。けれど、すでに予定がいっぱいの時は尚更。
「仕事をこなすこと」と「目標に向けて行動する」とは違う
毎日忙しく、たくさんの仕事をこなしている人が、「よい仕事をしている」とは限らない。
「忙しいだけの仕事」と「本当の仕事」を見極めることが大切なのです。
本当の仕事とは、仕事や計画を前進させるもの、忙しいだけの仕事はその逆で、これを妨げるもの。
自分にしかできない仕事は本当の仕事だが、誰にでもできる仕事は、忙しいだけの仕事になる。
人気のタイムマネジメント手法に「すぐやる」というものがあります。
TODOに書くまでもなく、すぐにやってしまう。
しかし、これでは「本当の仕事」を忘れ、「忙しいだけの仕事」に飛びつく元凶にもなる、と本書では警告しています。
当然これにもメリットがあり、「ガソリンが少なければ給油をする」のように、次に何をするかが明確であれば有効だとも語られています。
「ノー」が上手にいえる人たち、について
ある仕事が、あなたにとってどれだけの価値があるかーーこれを決めるのはあなた自身です。
「この仕事は、既存の仕事より価値があるのか?」ということを、自分に問いかけてみる。
すでに、毎日やるべき仕事で埋め尽くされていることを忘れてはならない。
誰にでも、何かを頼まれて、反射的にイエスと言ってしまうことはある。
これは自分の体験談ですが、昔自分はただのイエスマンで、何でも引き受けた結果、しょうもないミスのために、かなり広範囲にわたるシステム障害を起こしたことがあります。
いろいろと問題点は考えられますが、一つに、とても一人では背負いきれない量を、いろいろな方から、個別に引き受けたことも要因だと考えています。
この失敗をふまえて、よりタスクを整理して、断ることも選択肢として行動できるようになりました。
しかし、断るというのはなかなか勇気がいる!
本書では、断る際の5つのヒントが明示されています。
ヒント1 落ち着いた声と態度を保つ
ヒント2 言い訳しない
ヒント3 考え込まず、当たり前のように
ヒント4 現状を説明し、しごとを選択してもらう
ヒント5 引き受けるなら、自分の意思で
責任を持つこと。いい加減な仕事をしても相手に迷惑をかけるだけ。そして自分自身も引き受けたことを後悔する。
肝に銘じておきたいですね。
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本書ではこの他にも説明しきれなかったものが詳しく記載されています。
どれも実生活で役立つ考え方や方法が載っているので、ぜひ、実際に読んでみて、仕事に追われず、本当にしたいことができる生活を目指してみてください。
Kindleの電子版では、前半部分だけサンプルを読むことができます。
目次までくらいですが、ざっくり内容はわかるので、これもおすすめです。